感性の鋭いリスナーには確実に届いていた須藤薫さんを色々な角度から掘り下げていきます。
プロフィール
- 氏名 須藤薫 (本名 相馬 薫 )
- 生年月日 1954年5月1日
- 出身地 東京都
- カテゴリー シンガーソングライター
- 活動期間 1979年~2012年
死因と歌手としての評価。「あなただけ I love you」「涙のステップ」の誕生秘話は?
死因については、骨髄異形成症候群です。簡単に言うと、血液細胞が減少し体に色々と悪さをするという病気で難病です。58歳と言う若さで他界されました。今の時代50代ってまだまだ色々出来るのになという感じもあります。
しかし、逆に若いだけに病に狙われると症状の進行が速いという難点があります。小さい異常に気付いたら早めに病院などに行って検査なりして貰う事が病気を食い止める唯一の手段とも言えそうです。
さて歌手としての評価ですが2013年3月3日、未発表のライブ音源が発見されリリースされた際に、当時のプロデューサーがインタビューに答えています。須藤薫さんの声を聞いたとき何小節か歌って貰ってあまりに透明感があるので驚き、感動を覚えそのままそれをCDにしても良いと考えていたぐらいだそうです。
売り出す、ソニーレコード内部では歌が上手いと評価は高かった物の、当時の音楽シーンはアイドル全盛でシングルでヒットを出すことが、スターダムを駆け上がる近道とされていましたが、それが上手く行かず苦戦を強いられていました。
そこで当初シングルリリースだけの予定だったのですが、アルバムもリリースする予定に切り替えデビューしました。。元々、須藤薫さんの声がアメリカンポップス似合っている声質だったため路線もそちらに合わせて行きましたが、本人は納得していなかったようです。
しかし、ソニーの宣伝部の社員の大学の後輩だった杉真理さんが自身の楽曲の売り込みに来ていた際に曲を聞いて須藤薫さんの曲を書いて貰うメイン作家として動いて貰うなど良い出逢いはあり、楽曲的にはかなり洒落たポップスを送りだしたと思います。
また、楽曲の中身は完成度が高いのに世間に浸透することが難しかったので、知る人ぞ知るシンガーソングライターとも言えます。しかし、関わったミュージシャンやスタッフからの評価はとても高いという事です。
ここからは須藤薫さんの楽曲、「あなただけ I love you」「涙のステップ」について書いて行きます。「あなただけ I love you」この曲の作詞作曲は大瀧詠一、シングルレコードでリリースした作品です。
楽曲を聴いてみましたが、大瀧詠一サウンド全開という感じです。心地良いポップスに仕上がっています。まさにアメリカンポップスと言うべきか?大瀧詠一が作ったなとファンの人なら解るような楽曲です。当時どの程度セールスされたのかなどは不明です。続いては「涙のステップ」は7枚目のシングルでテレビ朝日のドラマ『かぼちゃ物語』主題歌。
作詞、有川正沙子 作曲、杉真理、堀口和男で制作された楽曲で内容は失恋ソングです。恋も『ダンスのようにいつかに日か終わるけど』、という言葉が印象的です。失恋した際に流す涙のことを忘れないでと言う歌です。
失恋ソングというとバラード調で切々と歌う物が殆どですが、こちらもアメリカンポップスに仕上がっており、あまり歌の深刻さがダイレクトに伝わらないように工夫されているように感じます。
まとめ
今回は、須藤薫さんを掘り下げて来ましたがデビューするタイミングが良い時期なら売れた可能性があります。まず、アイドルソング全盛でシンガーソングライターの楽曲についてはシングルレコードでは売りづらいと言う状況があり、アルバムデビューに切り替えようとしていたと言うのはどうしても売りたかったスタッフの意地を感じます。
しかし、今回記事を書くに際して色々なサイトを見てみたのですが須藤薫さんについて書いている一般や音楽ライターのブログが有り、音楽的感性が鋭い人には届いていたシンガーソングライターで有り、そうでない人には知られる事も無かったということかもしれません。